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執筆者の写真ktomonaga

暗さと冷たさ、乾燥の季節を温かく、潤い豊かに過ごす

更新日:2020年11月9日


この季節の過ごしかた 冬至





今日は立冬。


今週、関東地方は晩秋らしい晴れが続きました。


この時期、中学校?あるいは小学校で教わった、「放射冷却」という言葉を思い出します。


太陽によってあたためられた地球の表面の熱が、晴れていると、そのまま宇宙に引き取られていってしまうので寒くなる。そして、雲が出ると、熱は雲にはばまれて、宇宙に発散されないので、気温はそう下がらない。こんな理屈だったと思います。


そう、この時期は、日照時間も短く、雲も比較的少ないので、昼間の温かさも、日が落ちると、ぐわっと宇宙に吸い取られる。だから、日が落ちてから、そしてとくに、日没から一番時間のたった未明、朝日ののぼるすぐ前に、気温がぐんと低くなります。


こんな気温差の大きな時期、そして、乾燥の進む時期は、どのように過ごしていったらよいのでしょうか。



温度差をやわらげよう


いうまでもなく、温度差はわたしたちにとって大きなストレスです。一日のうちに5℃以上あると注意をしたほうがよいというお医者様も多いようですが、この時期は10℃ある日もざらにあります。


温度差が大きいと疲れます。


わたしたちの身体の深い部分は、およそ37℃に保たれるように身体が働いてくれています。これは寒いところにいても、暑いところにいても同じことです。寒ければ筋力を使い熱を上げ、暑ければ汗腺を開いて汗をかき熱を発散します。当たり前ですが、こうした働きは、あまり頻繁に繰り返さないほうが疲れづらいです。


身体のなかでも、人の世でもそうですが、調整にはエネルギーが使われます。


こうしたエネルギーを、あまりに使わないでいると、身体が弱くなる、なまってしまう。そういう声もあります。確かに、ずっと温室で育った野菜は、露地で育った野菜のおいしさにはかなわないように、わたしたちの身体には一定の刺激は必要です。



でもこうした刺激は、できるだけ意識的に受けたほうがよいと考えます。例えば、ヨーガの道場であるアシュラムや、禅寺に出かけて、そこで修業期間という心構えをもって、極端を耐え忍ぶ練習をするというのが良いと思います。

現代の世の中は、耐え忍ばなければならないことが多くあると思います。特に、このコロナ禍においては。


だから、朝晩、前もって少しヒーターを入れておく、次に書くように、温かいよい下着を身につけるなど、現代の文明の用意してくれる便利なものは、あまり環境に負荷をかけすぎない範囲でよく利用させてもらうのがよいと思います。



下着でしっかり保温をする


寒いからと言って着込むのもよくありません。ある調査によると、着込んでしまうと脳神経によくないそうです。(「家の中で『着込まず』に過ごすと、物忘れが減り、脳が衰えづらくなる」President Online)


たしかに、着込んでしまうと、重いし、細かい動作も難しく、全体的に動作がもたつくので、どうも疲れやすいとは感じていました。それは、脳神経の疲れもあったようです。


だから、上着はともかく、温かい下着をしっかり着込むことが大切。機敏に動けるようにすることで、脳神経の働きをよくしたままでいられます。動く意欲がでて、筋力も使えますので、代謝があがり、さらに温かく過ごすことができます。


よい下着は長持ちしますし、温かいし、動きやすいし、気持ちがぜんぜん違ってきます。下着への投資、お勧めしたいと思います。



温かいもの 陽のもの 汁気の多いもの 良質の油脂を摂る


食べ物でも、体温が上がります。


冷え性の人は、まずは体温より低いものは極力控えます。


体温を上げようと身体が頑張っているところに、冷たいものをのむのはある種の拷問ですね。朝を一杯の白湯で始め、一日の内の水分補給を温かいものにすると、驚くほど身体が楽に、温かくなると思います。


同様に、食べ物も、水気の多い、温かい、消化によいものを食べることで、体温を高く保つことができます。


もちろん、食べたいものを食べてよいわけですが、迷ったら、より消化のよいものを取りましょう。消化に費やされるエネルギーも、体温を上げるエネルギーも、同じわたしたちの大切なエネルギーです。


身体が欲しているというレベルであれば、この時期、こってりしたものもよいと思いますが、「エネルギーを補給したい」と、こってりしたものを選んで、消化にエネルギーを使ってしまうと本末転倒ということになりかねませんので注意をしましょう。



お肉やおさかなをたくさん食べる元気がないときでも、今おいしくなってきている根菜類を取ると結構、ボリュームある食事ができます。マクロビオティックでいう、いわゆる、「陽」の食物です。ゆっくり大きくなる、おなかの持ちのよいものたち。そうしたものを、牛乳や豆乳を利用して、クリーミーにすれば、さらに満足感もアップします。



こうした、胃腸に負担をかけない食事は、睡眠の質を上げます。



寒く、暗くなると、どうしてもたくさん眠りたくなります。わたしたちは、動物でもありますので、もちろん、日の長さに応じて、長く眠ることも大切です。



同時に、このように、眠りの質を上げていくことも、特にこの時期とても大切です。




温かくいると免疫力が上がります


このように、体温を上げていく工夫を重ねていくと、身体が軽く、動きやすくなり、認知や判断機能が向上し、よく眠れて、感情も安定することを実感できると思います。不安や焦りなど、ネガティブな感情が湧いてくることも少なくなってくると思います。


こうした、情動、脳神経、ホルモンの安定が図られると、ご存じのとおり、自律神経が高いレベルでバランスされるようになります。お肌や髪のつやもよく、潤い豊かでいられます。



精神的には、よくリラックスして、同時に、集中できるという状態です。疲れづらく、ものごとを楽しんで行える心身の状態です。


この状態はよく自分でも感じられるように、免疫力が高い状態です。


コロナの感染拡大が不安視されるこの冬、体温重視で参りましょう。



体温重視と瞑想状態


体温を重視すると、先に述べたように心が安定してきます。


心が安定していると、わけもなく、なんだか嬉しく、楽しいという気持ちでいられると思います。



他に使われて、浪費されていくエネルギーが少ないので、疲れづらい状態、他から影響を受けづらい状態です。



これは、心の働きがほどけて緩んでいると、そこに幸せがあるという、ヨーガの教えを体感できているという、とてもお目出たい状態です。


その状態を保っていると、心が何かに引っ張られたり、過去や未来のことに惑わされてざわついていることに敏感になって、その状態でいることが気持ち悪く、居心地悪くなってきます。


心を動かすときに使われるエネルギーを感じ取る、繊細な感覚です。


そして、エネルギーを蓄える状態、つまり、瞑想状態でいるということが、心地よく感じ、いつもそうしていたいと願うようになります。




こで、あらためて、ヨーガの教えのすばらしさを悟ります。


ヨーガには、八支則という教えがありますが、この一つひとつは、それだけぽんと、脈絡なく渡されてしまうと、非常に窮屈な道徳律のように見えるのですが、この、「エネルギーを蓄える」という角度からみると、これほど理にかなった原則はないと思います。


ということで、こちらに、八つ、置いてみます。



禁止事項


暴力的にならない 行いの上でも、思いの上でも

嘘をつかない

盗まない

むさぼらない

心のエネルギーを浪費しない




おすすめ事項


清潔でいる

修行をする(アーサナをしたり、時に極端な状況に身を置いたりして、身を鍛える)

満ち足りた気持ちでいられるように気持ちの持ちようを工夫する

聖典、経典を勉強する

神(あるいは、「大いなる存在」)の存在を感じようとして、それに祈る



身体を気持ちよく動かす 

時に静かな時間を持って少し座ってみる

安定して座れるように身体を鍛える


エネルギーの循環をよくする

呼吸をうまくコントロールして、エネルギーをよく蓄えて使う




感覚を自分勝手にうろちょろさせない




たった一つの対象に心のエネルギーを置いてみる




一つの対象にずっと心のエネルギーを向け続ける




一つの対象にずっと心のエネルギーを向け続けて、それと一緒になる感覚を持つ




できることから、始めて、難しいことは後回しでもよいと思います。


少しずつ生活に取り込んでいくうちに、心が疲れず、エネルギーを蓄えていくことができるようになれればしめたもの。


そのくらいの軽い気持ちでよいと思います。


少しずつでも、自分の行うべきことに、エネルギーを注ぎ込むことができるようになれば、すごいことです。


そうすると、自然と、体調もよく、見た目もよく、潤い豊かに元気でいられるようになります。


立冬の次は、小雪。次に大雪、その次はもう冬至。小寒、大寒とそれぞれ2週間を過ごすともう立春。六つの季節×2週間=12週間で、立春がやってきます。


いかに、今年の冬を乗り越えて、エネルギーをうまく使っていくか、自分を役立たせていくか。



ご一緒に、ヨーガとともに歩んでまいりましょう。


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