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執筆者の写真ktomonaga

心の波のながめ方

この季節の過ごし方 清明


先週の4日の日曜日より、季節は「清明」に移り変わっています。


その名のとおり、今朝はどこまでも見渡せるような透き通った空気に、陽光がまぶしく行き渡っています。


引き続き気温差の激しいこの季節は、自律神経が大変頑張ってくれる時期。


「日向は夏、日陰は冬」の季節です。


身体を緊張させて、熱を逃さないようにしたいのか、身体を弛緩させて、熱を発散したいのか、その境界線を一日のうちに行ったり来たりするので、自律神経が疲れます。だから、透き通った空気感のなか、どこか疲れを感じやすい、不調を感じやすい、気持ちも不安定になりがちな季節と言えます。


すっと、この時期のお天気のように、意識が広がって透き通ってながら、ちゃんと地に足がついて、自分のすべきことを知って、無理なく、無駄なく行っている。

そんな自分をイメージして、そのためには、どんな風に息をして、どんな風に食べて、動いて、休んだらよいのか。


今日はそんなこと少しでも考えられると、明日から一週間が変ってくると思います。



明るいと、心が晴れやかになりやすくなるという人が多いですが、明るさは、遠くまで見通せて、色彩がヴィヴィッドに届きますので、視覚からの情報が多くなります。


これは、わたしたちの指導者養成コースの生理解剖学をご担当くださる先生に伺った話ですが、「視覚というのは貧しい感覚器官だ」という説があります。


いまその詳細を覚えていないので、今度、あらためてお話を伺っておきたいと思いますが、確かに、五感のうち、視覚は間違いや錯覚を引き起こしやすい感覚です。その上、一番心を遠くまで引っ張りやすい。


においは、鼻孔に入ってきた粒子がにおいます。触覚も、味覚も、非常に近いところにあるものの感覚です。


聴覚は遠くから聞こえることもありますが、遠くに見える人が、何をしゃべっているのかは、わたしたちは聞き取れません。

姿形だけは、闇夜でないかぎり、遠くからでも見えてしまいます。


だからこそ、わたしたちは見た目をとても気にします。広告だって、テレビやインターネット、看板などのディスプレイがその多くを占めます。ラジオの広告はありますが、においの広告、触感の広告、味の広告は少ないですね。


そのように、目はいろいろなものを、わたしたちの内に形作らせて、心を動かします。




春になって、陽光が強力に視界からの情報を届けてくれるので、心の動きが大きくなる。


気温差や、コロナのことなどで、心の幅や広さを決める身体が、自律神経が少し疲れている。


そうすると、心のバランスを取りづらい、非常にショッキングに感じることに出会ったりすることがあると思います。


ヨーガは、そんな自分の心の面を観察する技術です。


どんなに大きな波も、起こっては、ピークに達して、次第に落ち着きます。


難しい技術は必要ありません。


いま、自分のしている呼吸が、どんな呼吸かを見てみるだけ。


その呼吸を感じ取ると、今、自分などんな気持ちでいるのか、さっき、自分がどんな気持ちでいたのか、その痕跡を感じられます。


そして、今、どんな呼吸がふさわしいのか。


少しの間、クールダウンが必要であれば、ほんの一呼吸でも、そのような呼吸をしてみましょう。


わたしたちは、自分の心にいろいろな波が立つのを防ぐことは難しいけれども、その波の形を見て、穏やかにする方法を知っている。


このことよく覚えて、この日々を過ごして参りましょう。




揺れる炎を見るのも、心のすっと落ち着かせることのできるよい方法ですね。先日訪れた群馬の古民家にて。

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